サーフィンのモノづくり

From :造形工作師:キッシー


よくこんなに簡単にすいすい波を乗りこなせ

るもんですね。。


乗りこなすアスリートの能力もさることなが

ら乗っている板は何なのかが気になった方も

いるはずです。


ご存じかと思いますが昔(少なくとも西暦400
年頃にはサーフィンの原形のようなものが既に
存在していたようです。日本で言うと、安土
桃山時代、江戸時代あたりにもう原型が生ま
れていたという事になります::)



そして、海の上で板に乗るという事は、

ポリネシア民族のライフスタイルと密接な関

係がありました。


海の民といわれる古代ポリネシアの人々は、

大航海時代といわれた大洋を航海する高度な

技術を持っていました。そのような彼らの発

明の一つにアウトリガーカヌーがあります。


カヌーの片側を支持する浮の着いたこのカヌ

ーは、転覆に強く、彼らはこのカヌーで珊瑚

礁の外へ漁に出かけました。


珊瑚礁には毎日のように波が押し寄せていま

すから、カヌーが漁から帰るときに必然とし

てその押し寄せてくる波に乗ってしまうわけ

です。


その頃からきっと波に乗るのが上手な漁師は

みんなに尊敬されたことでしょう。


漁業の技術の一つであったその”波乗り”が、

いつのまにか娯楽として一人歩きを初めて、

そしてカヌーは次第に小さくなり、オロと

かアライアと呼ばれるサーフボードの原形

が誕生したのだと言われています。



そして現在では科学技術が進化して主に

「FRP」(Fiber Reinforced Plasticsの略)

という素材で作られています。


その他も様々な素材が使われて進化してきま

した。



2020年オリンピック種目にもなった

「サーフィン」

今回は海のスポーツの代表とも言える

サーフィンのモノづくりについて解説します。



サーフボードは毎年進化をしていて、

5年くらい前のモデルになると現行モデルと

は素材も変化してきています。



素材の様々な種類


|【ポリウレタン素材(PU)】


ポリウレタンに発泡剤を加えて作られる発泡材。

一番多く使われている素材です。


ガラスクロスで巻き、レジンと呼ばれる樹脂

で固められ完成します。

比較的安価に作成出来るのと、歴史が長い素

材です。


加工しやすいので、オーダーしたとしても納

期が早いのも特徴。適度なしなりがあり、

板を踏んだ分だけ跳ね返りがあります。


車で例えるならマニュアル車のような存在。

アクセルを踏んだ分だけダイレクトに駆動す

る感じ。そして波質にとらわれる事なくオー

ルラウンドに使える素材でもあります。


欠点は重くなるのと壊れやすいという点があり

ます。他の素材に比べると重いです。

とはいえ他が軽すぎるのであって、ポリウレタン

の板が極端に重いというわけではありません。

そこまで気にする必要はない。

壊れやすいというのも、他の素材に比べるとです。

ちょっと落としたり、膝や肘が当たったりすると

クラックというヒビが入る事があります。



【EPS】


軽くて反発性に優れ、強度も高い。

3拍子揃った素材。


発泡スチロールと同じ製法ですが、強度、

難吸水性、シェイプのし易さを追求して

サーフボードの材質へと進化させた素材。


ポリエステルボードと同じようにガラス

クロスで巻き、エポキシ樹脂で固めます。


価格は高めで、メーカーによってバラつき

がありますが、2~6万円ほどUPします。

さらに作成に時間がかかり、納期が4カ月

~半年ぐらいかかります。


表面上は強度が高く、硬い印象を受けますが、

反発性に優れ、軽い踏み込みで大きく跳ね返

ってくるので、柔らかい波や、小波、脚力の

ない人にオススメです。反発が大きいという

事は、少ない力でスピードを出せるという事

です(乗りこなせれば、の話です。。)


強くて軽いので日本の波にマッチします。


デメリットの一つとして、

黄ばみやすいという点があります。


白いエアブラシを吹き付けることでかなり

防ぐことが可能です。




【XPS(extruded polystyrene)】


ポリスチレンの押出法による発泡フォーム。

代表的なものだとXTRと呼ばれるものがあり

ます。密度が高く、完全密閉状態の気泡で出

来ているので理屈では吸水性が無い素材。


信じられないかもしれませんが、

水を吸いません。

極端に言うと、ぶつかってりしてもそのままでOK。

PUやEPSに比べて強度とフレックス性が優れていて、

耐久性も高く長持ちする

とにかく板を壊すことが多い!って人にはオススメです。

PUより軽くEPSよりは少し重い。

EPSの軽さが苦手な人にはちょうど良い感触です。




【カーボン素材 中空構造】


カーボン素材のサーフボード。

どこかクールな雰囲気があるボードですので、

好き嫌いが分かれるところです。


ただし、強度に関しては最強です。

カーボン素材はF1カーやスペースシャトル

使われるほど強度が高く、軽量な素材です。


さらにメリットとして、中空構造(中が空っぽ)

なので軽量という点があります。



|まとめ


簡単にサーフィンの素材を解説しましたが、

よくよく考えると海の上で1枚の板に乗ると

いうこと自体は400年前となんら変わってい

ません。

板の形や素材は年々進化していますが、この

カルチャーを愉しんでいるという事は、この

先何百年経っても同じなんでしょうね。

ぜひ先人たちの努力や、功績を振り返ってみ

ててはいかがでしょうか。


造形工作師

顕 師[KENSHI]



アースリートデザイン

造形工作師/キッシーの造形デザイン&工作教室

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