野球ボールのものづくり

From :造形工作師:キッシー


高校野球を見ていると一球一打に懸ける姿が誰しも心をゆさぶりますよね。

野球をやっている人は(※やっていなくても道具を使うスポーツなら)よく分かると思うが、


「道具を大事に」


そして、


「道具を制する者は試合を制す」


なんてことを口をすっぱく言われたかと思う。

これはすべての生活や仕事にも通じるしとっても大事なことですよね。



プロ野球なんかはすぐにボールを新しいものに変えたりしますが、高校野球なんかはそんな贅沢なことは許されることはほぼなく、一球でも無くしてしまうようなことなら必ず監督のカミナリが落ちていたはずです(今ではそれを主体的にうながす指導をしているかと思う)


特にボール(球)なんかは使えば使うほど汚れてきますからキレイに磨きあげるのも一苦労。かといって単にキレイに磨きあげるだけでもダメ。なぜなら、


「考えながら磨け」



、、、???。。。




そう、一種の瞑想でもある(笑)(※野球経験者なら、あるあるですよね)


:どんな練習をしたか

:何が足りなかったか

:ここを持てばもっといい球が投げられる

:ここに当てればもっと打てる

:あの時ノドが乾いたな、、


といったことを想像しながら磨き、思考も整理するのである。

この作業はけっこう重要で、いろんなコトの整理にも応用できるのでモノゴトにいきずまった時にはぜひ参考にしていただきたい。




:ボールのつくる工程


さて、実際のボール自体のつくる工程ですが、野球ボールには「硬球」と「軟球」があります。ここでは高校野球で使用される硬球のつくり方を探っていきます。


製造工程:

①原料のコルク、ゴムを熱した型(たこ焼き機みたいな形)に入れる。

②焼きあがった丸いゴムの上から毛糸と綿糸を順に巻く(約300m)

③外側に巻く牛皮をひょうたんの形にカットする(2枚)

④糸で巻いたボールの上から牛皮を交互に縫い合わせる(赤い糸)

⑤表面の汚れを綺麗にしてできあがり



硬球は直径2cmのコルクの芯を中心にゴムや糸が何層にも巻かれてできています。まず中心となるコルク芯はコルクの木の皮を砕いたものに、固いゴムを混ぜて球形の型に入れ150℃~200℃に加熱して固めます。

次にコルクの芯に黒いゴムをかぶせます。コルク芯をつくるのと同じ手順で芯を中心に黒いゴムが全体にかぶさるように型にセットし150℃~200℃に加熱して接着させます。

次に今度は赤いゴムを黒いゴムの上にかぶせて芯の部分ができあがります。

次は芯の上に毛糸と綿糸を巻きます。糸がすべらないように草の実を混ぜて巻いていきます。毛糸の量は約100g、綿糸は10g、長さは約300mにもなります。

こうしてできたボールはいったん接着剤をぬり乾燥させます。

最後にひょうたん型にカットした牛皮を赤い糸で縫い合わせる。

(赤い糸で結ばれるんですね^^)


※縫い目数は108と決まっている。

煩悩と関係あるのか??

108という数を聞いて日本人がまずイメージするのは除夜の鐘、つまりは煩悩の数ではないでしょうか。日本の国民的スポーツとも言えるプロ野球。その野球に使われているボールの縫い目が煩悩の数と一致をするのは、いかにもそれらしい理由。煩悩を打ち砕くとという理由でそうなっていると教えられても、何だか納得できそうな気もします。

しかし、

実は煩悩の数は全く関係ない。


野球は日本の国民的スポーツですが、その発祥はアメリカです。

108という数字はそのアメリカを倣ってのことであり、煩悩の数で決めたわけではありません。実は108個より縫い目を増やせば糸アナと糸アナの間が狭くなり皮が破れやすくなります。逆に縫い目を減らせば糸が切れやすくなります。ボールを使っているうちに、持久力を考え実は、


「これぐらいが適当では…」


と割り出したのが108個という数字で偶然にも煩悩と同じ数になったというのが真相のようです。

仕上げに表面の汚れを消しゴムできれいにしてできあがり!




:まとめ


ボールは職人の手によって作られています。

一球一球精魂こめてボールを縫い上げる人がいるということ。

モノを大事にするという感性価値観であってほしいですね。


アースリートデザイン

造形工作師/キッシーの造形デザイン&工作教室

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