高校野球の金属バットのものづくり

From:造形工作師:キッシー



夏の風物詩といえば「高校野球」

球児たちの暑さにも負けず一球一球に懸けて闘う姿には感動しますよね。

野球を見ているというより、一つの物語を見ているからではないでしょうか。


さて、そんな高校野球でひとつ疑問に思ったことがありますよね。

高校野球といえば欠かせないのは、「金属バット」。

ボールが当たったときの“カキーン”という音。

その音に夏を感じる日本人は多いはずだ。


そこで疑問に思うのが、


「なぜ、金属バットなのか」


そうですよね、なんでプロ野球は木製バットなのに高校生(中学、小学)は金属バットなのか。いつどのようにして金属になったのか。またはどのようにして作られているのか、今回はそんな疑問を探ってみたいと思う。




:なぜ金属バットなのか


理由は、折れやすい木製バットを使用するよりも耐久性があることに加え、バットに使用する木材を保護するためにも有効だと考えられたから。


くわえて、当時は木製バットの原料となる木材(アオダモ)の価格が高騰、木製バットの価格も併せて高騰したことから、経済性を考慮したことも大きな理由といわれている。


木製バットは芯を外すと折れてしまうことが多々ありますが、折れたから新しいのを用意する、というのでは保護者の負担も厳しく、高校生の部活動として成り立たない、というのがひとつの根拠なのだそうだ。


近年では経費削減という理由もあるでしょうが、木製に比べ「芯」が広いことから思い切ったスイングができることや、金属バットの特徴ともいえる「反発力の高さ」により飛距離も出やすい、というプラス面が大きく、試合においては当たり前のように全選手が金属バットを使用している。

※結構正確な導入根拠は謎に包まれている。

事実、導入初期の頃(1974年)の頃はまだ規定が曖昧ですべてが金属ではなかった。


※木製バットを使っても真芯に当てればよく飛ぶ




:金属バットの制作工程


先に触れたがプロ野球や大学野球では木のバットが使われている。

高校野球や少年野球などでは金属バットが一般的になりかなり普及している。最近では芯のところにクッションがあるもの(ミズノ社製「ビヨンドマックス」)まである。


金属バットの主な原料はアルミニウムに亜鉛やマグネシウムなどを加えたアルミ合金でできており、この合金は加工しやすくねばり強い特性をもつ便利な原料なのである。

超々ジュラルミンなんてものもある。(そんなに超の超なのか、、(笑))



:工程

①肉厚調整加工(ヘッドを重く、グリップは軽くするように厚さを調整)

②280度の炉でやわらかくする

③専用の機械でバットの形に生成

④強度を増すために500度の炉で加熱したパイプを急激に水に入れる焼き入れ

⑤150度の炉に24時間入れて再加熱

⑥グリップの端の部分をネジ立て加工

⑦ヘッドの上の部分を加工

⑧研磨加工

⑨ロゴ入れ

⑩グリップにテープまき



:アルミ合金の管をつくる

アルミ合金のかたまりを加熱してやわらかくしてドーナツ型の穴があいた金型に押し込み管の形にしてしぼり出す。

:バットの形に成型する

バットの形をした金型を管にさしこみ回転させながら上下左右からたたき成型する。

:切断

両端の不要な部分を切断する。

:熱処理

ボールを売っても変形しないように加熱して固くする。

:溶接

グリップエンドとバットの先端部分に別に成型した部品をはめて溶接する。

:表面処理

①薬品の入った水槽にバットを入れ電気を通す。すると表面に透明で凹凸のある膜ができる。

②この上からブランド名や商品名を印刷し、塗料は凹凸部分に入り込む。

③沸騰したお湯につけると印刷した塗料が入った凹部分に口が閉じて塗料をバットに閉じ込めるとともに錆を止めツヤが出ます。

:レーザー巻き

グリップの部分に天然皮革を巻く。

:検査検品

しっかりできているか検品し、検査合格(SGマーク等)を示すシールを貼り、フィルムをきれいに巻いて包装する。

:できあがり



:まとめ

バット一本つくるにおいてもいろんな工程があり、そこにはいろんな人の手が加わっている。熱いプレーで使っている高校野球を見るのもいいが、つくっているいろんな背景を観察しながら野球を楽しんでみてもいいかもしれませんね。

アースリートデザイン

造形工作師/キッシーの造形デザイン&工作教室

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