モノづくりとデザインの仕事と役割

From:造形工作師:キッシー



デザインと聞いて何やら、「カッコイイ」、とか、「カワイイ」とか何やらそのニュアンス自体が持つ特権みたいなものがありますよね。


ただ実際にはそのモノがどのようにして作られてどのような役割があるのかは分かりずらいこともあるのではないでしょうか。


今回はそんな「デザインの成り立ち」を解説しながら「役割」を探っていきましょう。

●デザインが生まれた理由●


「デザイン」という言葉が建築や製品を作る前段階の「設計などの「図案」という言葉で使われ始めたのは16世紀のルネサンスの時代からといわれている。


しかしまだまだその時代には「デザイナー」という職業はなく「モノづくり」の主役は職人が担っていました。


職人の親方が弟子に下働きをさせながら、製品の構想から完成までを基本的には自分ひとりで行っていました。現代でも、たとえば陶芸などの工芸家はそれにあたります。


 しかし、18世紀にイギリスで産業革命がおこりモノづくりのシステムも大きく変わりました。機械がどんどん導入され住居の隣にあった工房は大規模化し、それが工場になっていきました。生産効率を高めるために仕事も細かく分業化されます。


それまでは一人の人間が「設計」「製造」「成型」という作業を、それぞれ別の人間が行うようになったのです。


そして、「設計をする(デザイン)」専門職として登場し、デザイナーが考えた設計図に従って労働者が製品を仕上げる仕組みが出来上がりました。


つまりデザイナーとは、同じ製品を何千~何万個も生産する「大量消費」と「分業」を前提として生まれた職業なのです。





●デザインの主な仕事●


ではデザインの仕事とは何なのか?


大量生産のシステムの中でデザイナーに与えられた課題はまず3つ


●何を大量生産したらいいのか

●いかに効率よく大量生産するのか

●大量生産したものをどのように改良したらいいのか


という課題になってくる。


しかもこの課題はなくなることはない。

なぜならひとつの課題をクリアしたとしてもすぐに新しい課題が現れ、企業活動に終わりはないからです。


また大量生産されたものは大量消費されなければなりません。

モノを大量にうるための広告などのビジュアルコミュニケーションもデザイナーの仕事となってくる。そのためデザインはモノづくりだけでなくモノの売り方まで責任を持つようになったのです。


大量生産大量消費社会がさらに進化して世の中にモノが氾濫するようになると新たな課題が生まれます。たとえば自動車が増えると危険なので交通規制が必要になりますよね。


そこでルールをビジュアル化した「標識」が誕生しました。社会に「秩序」をもたらすためにデザインが使われるようになったのです。


しかし、現在のように大量生産大量消費社会が行き詰ってくるとさまざまな弊害が顕在化してきましたよね。たとえば地球温暖化などの環境問題。


「作りっぱなし」「売りっぱなし」「使いっぱなし」


では企業も使用者も社会的責任を果たせていません。そこで大量生産大量消費のシステムに変わり


3R「リユース・リサイクル・リデュース」


といった資源の循環システムを取り入れたモノづくりが現れははじめています。


そこで大量生産システムによって生まれたデザインの仕事は無くなってしまったのか??


逆にデザインは社会にのあらゆる場面でますます必要とされている。


ジャンルも多様化し、


「プロダクトデザイン」

「グラフィックデザイン」

「エディトリアルデザイン」

「インテリアデザイン」

「パッケージデザイン」

「ブランディングデザイン」

「ウェブデザイン」

「ゲームデザイン」

「ファッションデザイン」

「テキスタイルデザイン」

「カーデザイン」

「フラワーデザイン」

「ガーデンデザイン」

「ランドスケープデザイン」

。。。


あげればきりがないほど細分化され多様化しているのがお分かりではないでしょうか。


だからこそ急速にデザインが現代社会に不可欠な要素になったことは明らかです。今の世の中ではデザインがどのような役割を果たしているのかが名称をみるとよく分かるのではないでしょうか。




●デザインの役割●


大量生産システムでは「何をつくるか」の次に「効率よくスピーディーに大量生産をするか」に力をいれてきました。特に「互換性」と「標準化」です。


先に述べた産業革命以前の職人は歯車やねじなどの部品を手作りしていました。部品が合わずに組み立てられないときは、部品を削って調整して組み立てていました。作るときにはそれでもよかったのですが、いざ修理の時には困ってしまいます。


そこであらかじめサイズや形状を決めて置き、故障したときには簡単に交換できる部品が考えられました。このような部品の「互換性」はナポレオン時代に戦場における銃のメンテナンスの必要から生まれたといわれています。


大量生産システムが生み出した「デザイン」の究極の目標は、


「世界統一規格」


となるのです。

世界中で同じ製品が使われる。

つまりデザイナーとは、モノを通じて世界の格差を無くすことが役割といえるかもしれません。



アースリートデザイン

造形工作師/キッシーの造形デザイン&工作教室

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