企業と顧客とデザインの7つの役割

From:造形工作師:キッシー



デザインすることは「いい未来を計画」すること。

前回記事参照「モノづくりとデザインの仕事と役割」



では実際にどのように見ていけば「いい未来が」観えてくるのか?


今回はそんなデザインの「7つの役割」を観ていくことでモノコトをデザイン的に考えることで、自分が今何をすべきなのかを探っていきましょう。




①発明デザインの役割


デザインの画期的な発明はストレートに新しいデザインを創造します。

例えばパソコンなんかは急速に発達してきましたよね。たとえばアップルが具現化した「マウス」が専門知識をもたなくても誰でも簡単にコンピューターを扱えるようにしたといわれています。またデザイン的にはワープロやテレビなどの決定的な違いをもたらし、パソコン以外に「マウス」を使う製品はありませんよね。


家電の世界でもご存知の「ダイソン」

そのダイソンのなかでも最大の発明品の「サイクロン掃除機」


20世紀の初めに発明された掃除機はほぼ100年間ほど基本構造が変わってなかったのですが、ダイソンの創業者のジェームズ・ダイソンがサイクロン掃除機を発明しました。


吸い込んだ空気を回転させ遠心力によって空気とゴミを分離する全く新しい方式を考え出しました。そして仕組みが違うので当然デザインも斬新なものとなったのですね。


こういった常識はずれの発明によって日常の不便を解決するのもデザインの役割といえます。




②使いやすいデザインの役割


どうしても資本主義社会では企業活動に終わりはありませんよね。

企業としては常に「多くの利益を」を追求しなければならないのです。終わりなき競争の中でデザインも常に改良を求められます。操作性や機能性を付け加えたりといった新たな課題が見つからば、解決するためのデザインを考えなければならないのです。


そう考えると世の中に出回っている製品のほとんどは「改良型」であり「使いやすいデザイン」が出来上がったときに定番化しロングセラーとなります。


ただし、この「使いやすさ」というデザインの動きはそのまま「美しさ」の追求にはならない。使いやすくても美しくないモノってありますよね。


ただ「使いやすさ」は人間の身体構造と密接に関係しています。


たとえばユニバーサルデザイン


「健常者・高齢者・障碍者の区別なしにすべての人にも使いやすい」


という定義があって、必ずしもそれが「美しい」という個人のデザインの好みとはリンクしない。「機能的なものは美しい」のでなく「美しいモノは機能的」なのである。




③象徴的なデザインの役割


大量生産されたモノを大量に売るためには、その製品の優位性や信頼性を浸透させる必要があります。そこで製品の品質の高さを象徴し消費者に記憶してもらうための記号となる「ロゴマーク」をデザインすることが企業活動には不可欠。


自社の製品にマークを入れる習慣が1900年のパリ万博からといわれています。


たとえば企業のシンボルマークとして有名なベンツの「スリー・ポインテッド・スター」

このマークは1909年にダイムラー社の商標として登場しました。原案はダイムラー社の創業者でもあるゴットリーフ・ダイムラー自身で、「陸・海・空」を意味しています。自動車メーカーというよりエンジンメーカーとしての想いが強かったのがうかがえます。


このようなブランドロゴは企業と顧客との共通の財産なので簡単に変えるべきものではないのです。




④個性化するデザインの役割


ひとたびヒット商品が誕生すると必ず2番煎じで追随商品が現れますよね。

3番、4番、と現れしまいには「似たような商品」が市場にあふれてくる現象がたびたび起こりますよね。


そこで市場で埋没しないようににデザインの力が使われます。

たとえば、


●店頭で目立たせる

●パッケージで目立たせる

●広告で目立たせる


などの徹底的な差別化が図られます。


「他と同じモノを所有するのは嫌だ」

という顧客心理にも応えなくてはなりません。

しかしデザインはおなじモノを大量に複製するのは得意ですが、少量多品種では割高になる可能性があります。そこでリスクを少なくするため製品の一部を改良して「カスタムメイド」という手法も取られたりします。


要するにデザインの個性化とは、かつてデザインが否定した

「職人仕事の回帰」

なんですね。




⑤環境と共生するデザインの役割


COP21(第21回気候変動枠組条約締約国会議)で示されたように地球温暖化は我々人類においても重要な問題。


夏に気温が30℃を超えるのが当たり前と感じるのは異常なことで、このまま温暖化が進めば近い将来北極のペンギンやシロクマは絶滅するといわれていますよね。


だとするなら人類はモノづくりのシステムやライフスタイルを見直さなくてはならないのは明らか。そんな問題を解決するのもデザインのひとつの役割です。


いまではだいぶ見かけるようになってきたビルの屋上の緑化。

これはむき出しのビルはかなりの熱発生源となっておりヒートアイランド現象の原因。この原因をランドスケープデザインの力で解決しようとするのかビルの屋上や空き空間にあるビオトープなんですね。


他に、


京都議定書で約束したCO2の排出量の削減を達成するために「1人1キロ」減らす運動を呼び掛けているのはご存知でしょうか?

しかし、たとえば冷暖房の設定温度を2度変えても1日82グラムしか削減できません。

そこでエコバッグなどの個人個人による小さな動きが大切になってきます。

そういった啓発もデザインの役割です。





⑥秩序化するデザインの役割


不特定多数の「公共」がターゲットになる場合、デザインは「社会の秩序化」のために使われます。もともとデザインhあ「統一する」「整理整頓する」ことに向いており社会主義国や共産主義国では「個性の抑圧」のために使われることもありました。


逆に現代日本では「公共空間のデザイン」はほとんど無政府状態。デザインに関するかぎり日本は公共性よりも企業論理が優先される社会なのです。


たとえば日本の都市の景観は、めちゃくちゃ、といえます。

都市の景観は公権力の規制がなければ現状を保つことは難しいからです。


そんな中でも最もデザインによる「秩序化」が必要なのは、医療分野であります。

たとえば投薬ミスなどの医療事故を減らすためには医学界はデザインの力をもっと活用し、「安全と安心」のとしてのデザインを取り入れれば未然に防ぐことはできるでしょう。




⑦モノを美しくするデザインの役割


デザインやモノづくりの現場では、「感性価値」という言葉が広まっている。

「わくわく・美しい・かわいい・かっこいい」など心に響く魅力が製品に求められている。

製品に感性価値を授けるには、まず作り手となる人の感性を試行の中で磨くことが大切である。


モノづくりには、心の作用・造形文化・機能・システム・社会経済の五つの柱があり、それぞれに「美」、つまり最適化を追求することが求められる。

そのためには、心で感じたことを思考に結びつける術を身につけたい。


デザインの現場における力は、


●混沌とした膨大な情報から問題の核心を発見する力

●新たな関係性を作ることで解決を導き それをわかりやすく伝える創造力

●さらに解決を促す実行の推進力


の三つの力で、価値を創り出すことがデザインだといえる。

それは常に、人を中心に置いて心を豊かにする行為、最終目的は、


人の美の変化にあるのです。




アースリートデザイン

造形工作師/キッシーの造形デザイン&工作教室

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